雑駁記——藤沢図案制作所——

ざっぱく【雑駁】(名・形動) 雑然としていて、まとまりのないさま。「_な知識」「文明の_なるを知らず、其動くを知らず」〈文明論之概略諭吉〉

初めて弾いたギターのこと

もともと家には父親のガットギター(メーカー不明)がありました。サンバーストで、ポジションマーク代わりに緑のセルロイドをフレットに貼ったもの。当時から年期入ってました。おまけに父親は強引にスチール弦を張ってました。いつもは棚の上で埃かぶってたんですが、たまに思い出したように父親が演歌かなんか弾いたり、小学生だった僕や弟のリクエストでアニメの主題歌とかをメロディー拾ってくれたりしたものです。で、僕らは何もわからず弦をボローンと言わすだけ。一度だけドレミの押さえ方を教えてもらったけど、よくわからんかったし。父を亡くした後の、中学生の秋、4本くらい残ってた弦も錆びてたそれを手にとって、文化祭の合奏で演った「案山子」と「帰らざる日々」の楽譜見ながらコードを押さえてみたのが始まりです。間もなく、どーしても自分のちゃんとしたギターが欲しくなってきてCat'sEyesのビギナー向けのアコギを貯めてたお年玉で買って、それからはほとんどその父のギターには触りませんでした。そもそも弦高は高いわそのせいでブリッジにテンションかからないから音ビビるわペグ回らんわ何しろぼろぼろだった。だけど年相応の「枯れた音」はするんで、なんとかまともに弾けるようにしたいとずっと思ってたんですけど。なんせほぼ唯一の遺品だしね。で、2004年の暮れ、ついにそのギターをリペアに出しました(しまったなリペア前の写真 撮っとけばよかった)。父は病気になったきり逝ってしまったけど、父のギターは元気になって帰ってきました。結構な大手術にもかかわらず、思ってたよりリーズナブルな値段でした。今は実家の母のもとにあります。つっても使ってない部屋にほうりこんであるだけみたいだけど。