雑駁記——藤沢図案制作所——

ざっぱく【雑駁】(名・形動) 雑然としていて、まとまりのないさま。「_な知識」「文明の_なるを知らず、其動くを知らず」〈文明論之概略諭吉〉

画像アップの練習として、はてなフォトライフに仕事を載せてみる。

いずれも仕事でデザインしたものです。「仕事でデザイン」って、当たり前ですね。「趣味でデザインする」って人、いたとしたら失礼だけど、ちょっとどうかしてると思うな。
さてひとつめは、日本盛の2005年お中元セット。日本酒の夏のギフトって、ここ10年くらい、いかにして清涼感を出すか、に終始してます。まあ、夏の酒といえばまずはビールですからね。それと、清酒業界内で大手とされる、いわゆるナショナルブランドの製品になると、通常、販売されているパック酒の量産品としてのイメージが強いため、地酒のように「地道に良いもの造ってます」とアピールしても信用されない、みたいなハンディがあるような気がします。で、こういうギフトものは、1シーズンか、もって2シーズンでリニューアルされるのが常で。今年の夏はすでにリニューアルされたので、もうこれは売ってないです。



ふたつめは日本盛の純米生貯蔵酒。
このところ、カップ酒がちょっぴりブームだったようですが、この商品はその恩恵をあまり受けなかった模様で、あまり見かけませんね。カップ酒なんですけど、PET製のカップに全面シュリンクされた体裁のもの。全面、銀ベースだけど、素材はフィルム。一見そうは見えないくらい、このシルバーは奇麗だと思います。それと実物見るとわかるんですが、フィルムの収縮率の関係で、全体的に長体がかかって見えてしまう。この辺り、もうちょっと検証したかったという反省点があります。
ところで、「生酒」と「生貯蔵酒」ってどう違うんでしょう?いや、造る際の行程が違うのはなんとなく知ってますが(加熱処理しないのが生酒、出荷直前に加熱処理するのが生貯蔵酒)、それが味にどんな影響があるんだか。日本酒って、吟醸だの純米だのやたらと種類があるから「とりあえず」どこから飲んでみたらいいかわからない。なんか、「通じゃないといけない」みたいな、異様に蘊蓄が必要そうな「敷居の高さ」があって、それが需要の縮小につながってると感じるのは僕だけでしょうか?



で、みっつめは純米のしぼりたてです。生貯蔵酒の次は「しぼりたて」。いずれも「新鮮」が売りなんだろうけど、じゃあ、生酒と生貯蔵酒としぼりたては、どれが一番新鮮な飲み口なんでしょうね?仮に順位をつけられたとしても、「それ、思い込みじゃねえの?」ってな眉唾な感じするだろうな、きっと。
このラベルは、「しぼりたて」の「ぼ」の濁点が「し」と重なることで切り返しになってるというのがちょっとだけミソ。ナショナルブランド清酒って、カリグラフィ使いたがる割に文字を崩したりするのを嫌がられる傾向があるので(そりゃ角毒性って大切だけど、常識と知性の範囲で十分読めるものでも多くはダメなんだよなあ)、これは比較的「よく通してくれたな」と言える方です。ところで「しぼりたて」って、各社カリグラフィで表現するものが多くて、それがしぼりたてのシズルのお約束みたいになってるところがあるようですが、これが「搾りたて」と明朝体で表記するとなんだかチューハイっぽくなるから不思議なものです。

このレイアウト、ネコミとIEとサファリで見え方微妙に違います。Windowsだとまた違ってくるのだろうなあ。