雑駁記——藤沢図案制作所——

ざっぱく【雑駁】(名・形動) 雑然としていて、まとまりのないさま。「_な知識」「文明の_なるを知らず、其動くを知らず」〈文明論之概略諭吉〉

John Fogerty REVIVAL


 
Deja Vu All Over Again」に続く、…何年ぶりになるのかは知りませんが、ともかく出たばかりのジョン・フォガティの新作です。前作「Deja Vu ...」は、どうやら「CCR時代への原点回帰」といった、好意的な評価が多いようですけど、個人的には(ジャンプ・ナンバーも入ってるにもかかわらず)いくぶん内省的なトーンも感じられたりしてまして。特に1曲目絵の表題曲なんて「ニール・ヤングが歌った方がハマるんじゃないの?」とすら思ってましてどうもすみません。今作は前作よりも吹っ切れた感じがするんで、クリーデンス好きの方にはこっちの方が好みじゃないかなと思います。だいたいタイトルが「リヴァイヴァル」で、3曲目には「クリーデンス・ソング」なんてのも入ってたりして、ちょっと興味そそられますわね。しっかしもうちょっと何とかならんかったんか、このジャケット。
アルバムの構成としては全12曲の前半6曲がカントリー/ミディアム調、後半がサザン・ロックっぽい曲、といわゆるレコードのスローサイド・ファーストサイド的曲順になってて、ここらへん、なんか「LP」って感じでよろしいです。実際、一気に集中して聴けます。初めて聴いたときは後半のロック系の曲がいいなあと感じてたのですが、意外に前半の方が好きかも。特に1曲目の「Don't You Wish It Was True」はいいなあ。「LODI」よりこっちの方が好きになりそう。「Creedence Song」は、CCRにこんなノリの曲あったっけ?って感じ。ギターソロも聴き物。「スージーQ」のリフっぽいフレーズも聴こえてきたりして、ちょっと歌詞が気になるとこです。
前述したように、後半も悪くないんだけど、前半の味わい深さに比べると、半段落ちる気もします。1曲ずつは悪くないんだけど。わかりやすいのはB面2曲目(あえて)の「Summer of Love」。タイトルから、いわゆるヒッピー時代のことでも歌ってるんだろうなと思ってたら、モロ「Sunshine of your Love」のパロディ。ジミヘンっぽいギターも入ってて、ちょっとした遊び心でしょうかね。でもこいつのせいかどうかわからないけど、他のロック・ナンバーまでサザン・ロックのパロディに聴こえてくるんだよな。むしろCCRのロック的テイストは弱いような。でも曲そのものはどれも悪くないです。
まだ2、3回しか聴いてないですけど、「かつてCCRのウリだった、カントリーと南部系ロックを今演るとこうなるんだぜ」って感じ。前作もひょっとしたらそうだったのかもしれないけど、「Deja Vu ...」はサウンドがちょっと綺麗すぎたんだな、多分。
CCRとソロアルバムとで、いちばん違うなと思うのは、曲のキーというか、ヴォーカルの音域ですかね。CCR時代だったら、ハイトーンのシャウトで高いテンションを出してたところを、中音域を生かしたメロディアスな曲作りをしてるように感じます。それがCCR時代と違ってリラックスした懐の深いイメージを出してるのかもしれません。
さて、10代の頃からのCCRフリークである我がバンドのリーダーは、本作をどう聴いたのでしょうか?

REVIVAL

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DEJA VU-ALL OVER AGAIN

DEJA VU-ALL OVER AGAIN