雑駁記——藤沢図案制作所——

ざっぱく【雑駁】(名・形動) 雑然としていて、まとまりのないさま。「_な知識」「文明の_なるを知らず、其動くを知らず」〈文明論之概略諭吉〉

兵隊さんフィギュアを仮組みしてみた


 
随分前に購入してたものの中から(てゆーか手持ちのプラモなんてそんなのばかりだ)、アランゲルの「Grossdeutschland 1943-1945」を組んでみました。
Grossdeutschlandというのは「大ドイツ」との意で、ドイツ陸軍の最精鋭部隊なんだそうです。わたしゃ、模型はたくさん持ってるのですが、戦争とか軍隊のことは全く知らないのでこの辺りは何とも書きようがなくてすみません。
ともかく箱絵を見ると、なんとも雰囲気があって良さげな感じですよね。アランゲル(ALANGER)はロシアの模型メーカーで、戦車模型だとT-28やT-35のインジェクションキットで有名(かな?)なICMというウクライナのメーカーがかつてありまして、そのICMからいくつかのメーカーに分裂したうちのひとつ、IDKの後身にあたるメーカーなんだそうです。
ウクライナをはじめとした東欧系のプラモデルメーカーというのは他にも結構あるのですが、アイテム的には大手メーカーが手がけないようなユニークなものが多いんだけど、出来については保証しかねるという(これがすげえのあるんだ)、概してバクチ的要素の強い製品が少なくありませんでした。その中で前述したT-28、T-35等の旧ICM製キットは、組みにくい箇所はあるけど、なかなかパーツは繊細で、出来も決して悪いものではありませんでした(なぜ断言できるかとゆーと、いずれも持ってるからです。T-35は組んでないけど)。
そのICMの流れをくむメーカーですから、箱絵とともに期待も高まるというものです。なおかつ、近年はウクライナのミニアート、マスターボックスといったメーカーによるインジェクションのフィギュアの評価が高く、アランゲルもそうした「フィギュアの出来のよい」メーカーのひとつに数えられているのであります。
 
ここでもういちど箱絵に目を向けてみましょう。中でも個人的に興味を抱いたのが左端の箱を肩にかついだ兵隊さんです。なかなか珍しいポーズであります。また、右端の背中をこちらに向けている兵隊さんの背負っている装備品の数々。これらをきちんと塗り分けたらなかなか見応えがありそうです。加えて彼らの髪型が自然でよろしい。これらのディテールがインジェクションですべて再現されているとは思えませんが、ある程度手直しすることでこの箱絵のイメージに近づけられるなら、なかなかのものであります。箱絵のバックにあるようなキューベルワーゲンやハーフトラックと組み合わせれば、簡単によさげな情景ができそうです。
 
ということで、このたび箱を開けて仮組みしてみました。
 

「どーもすいません」
 
あのさあ、何十年前のキットなんだよお前ら。なんとまあ緊張感皆無なこと。プロポーションが悪い、というよかデッサンメチャクチャ。
特に向かって左の二人。これわざとこんなポーズにしたわけじゃなくて接着面に対して素直に組むとこーなるんです。左端の期待度No.1だった奴なんて、全然モノ担いでるような体重のかかり方してないじゃん。てゆーかお前右腕と左腕長さ違うだろ絶対。
もう一人の左手だって、箱絵だと腰に下げたヘルメットにかかるようになってるハズなのに、絶対そんなふうにならないし。髪型もどれも野暮ったいし顔がまた妙にいかついくせにムダにここだけモールドがよかったりする。
 

無駄に味のある顔をしている。
 
唯一いいとこと言えば、プラの質が柔らかいんで、パーティングライン削ったりとかの修正がしやすそうなとこ。これをまともなプロポーションに修正するんだったらスクラッチする方が手間は少ないと思うけど。
というわけで、ここまで読んでくださった方、どーもすいません。
今回は「スカ買っちゃった。てへ」って以外、何の内容もないです。おわり。