雑駁記——藤沢図案制作所——

ざっぱく【雑駁】(名・形動) 雑然としていて、まとまりのないさま。「_な知識」「文明の_なるを知らず、其動くを知らず」〈文明論之概略諭吉〉

日記っつーかなんつーか

なんかすげえ滞ってましたね。別段、そんなに忙しかったわけでもないし(むしろ暇)、ネタがなかった訳でもないのですが。
「そのうち、落ち着いて、ゆっくりと更新しよう」と思っているうちに、「そのうち」がなかなか来なかったという感じです。

 

Pen and messageにて、お借りした万年筆でスケッチ
 
ところで、今日のこと(昨日ですが)。
僕が心の中でこっそり師匠と仰いでいる先輩デザイナーが、ご本人の持っておられる32本の万年筆に関する、写真とエッセイとスケッチによる本を出されまして、その出版記念展に行ってきました。
会場はPen and message.という、万年筆を中心とした筆記具のお店。元町まで出かけたのも久々であります。
もともとステーショナリー好きだということは知っていたし、サムネールなんかも万年筆で描く人だったので、万年筆に凝るのもなるほどなとは思っていたのですが、そのはまり方というか、はまる角度にあらためて感服してしまいました。
なにしろ、本を作るため、つまり万年筆に注いでいる愛情のようなものと、その仕事量に圧倒されます。32本の万年筆について、それぞれが生きる見せ方にこだわった写真を撮り、それぞれに関わる文章を書き、さらにそれぞれの万年筆のスケッチを描く。同業者の端くれとしてわかるのですが、デザインワークって結構気力も時間も使ってしまうものです。しかもデザイナーとしても僕なんかより全然忙しい筈なのに、その力はいったいどこから来るものなのか。なんともはや、「やられちまった」感じなのであります。

ついでと言っては何ですが、帰宅後、以前からずうーっと聴きたいと思っていて、やっと購入した吉田美奈子のアルバムを聴きました。これもまた、質は違えど「やられちまった」思いであります。

このところ、うつむきがちな日々をずーっと過ごしていました。
わかっちゃいるけど「それじゃいかんだろ」と思わされたような気がします。
というか、立派なコンセプトとか、かっこいいレイアウトとか、綺麗な色使いとか、流麗なメロディとか、テクニカルな演奏とか、もちろんそれはとてもとても大事なことなのだけれど、ほんのちょっとでいいから、人を奮い立たせることが、クリエイティブワークにとって何より大切なことなのかもしれないと、今更ながら感じます。

そのモチベーションがどれだけ続くかは、受け手である本人次第なんだけれど。てゆーか、「そのうち、落ち着いて、ゆっくりと」なーんてぬかしてる奴が偉そうに何言ってんだって感じですよね。

あ、忘れてた。元町の「Pen and message.」、「書く」もしくは「描く」ことに興味のある方はぜひ行ってみてください。コーヒーも飲めるのですが、これがまたとても美味しいです。