雑駁記——藤沢図案制作所——

ざっぱく【雑駁】(名・形動) 雑然としていて、まとまりのないさま。「_な知識」「文明の_なるを知らず、其動くを知らず」〈文明論之概略諭吉〉

白鹿記念酒造博物館 平成22年春季特別展ポスター


 
気づいたらもうすぐ4月です。

更新しないあいだ何してたか忘れてしまいそうなくらい更新してませんでしたが(確定申告したら、あまりの数字の悲惨さに笑ってしまったなあ)、おかげさまでまあなんとか生きております。みなさんお元気でいらっしゃいますでしょうか?
 
さて、昨年につづき、今年も白鹿酒造博物館の桜コレクションの時節がやってまいりました。その告知ポスターが上の画像です。毎回のことですが気持ちよくお仕事させていただき有難いかぎりです。
展覧会はもう始まっております。夙川公園の花見とか、酒蔵通り散策の折にでもぜひ足をお運びくださいませ。
 
 
ところで、花見_桜_と言えばソメイヨシノですね。上述の桜コレクター笹部新太郎翁はソメイヨシノよりも旧来の山桜を愛でていたそうで、近年は僕もソメイヨシノの花の色が華美に感じられるのですが(夙川公園にはソメイヨシノ以外の桜も多く見ることができるのです)、とはいえ一般的には桜と言えばソメイヨシノであることに異論は無いでしょう。
このソメイヨシノ、自生している樹は一本も無いのだそうです。日本全国どこでも見られるもっともポピュラーなこの桜は、全て接ぎ木などして人の手によって増やされたものです。
ついでに書いとくと、ソメイヨシノが交配によって作られたのは江戸時代末期から明治初期で、この名がつけられたのは1900年ということなので、江戸時代含めそれ以前の人々は、現在の我々とは異なる桜を愛でていたことになります。今回のポスターに使った図版(八重山桜図と洞中廊間桜図の二点)はいずれも花とともに葉もついていますが、そういうことです。