雑駁記——藤沢図案制作所——

ざっぱく【雑駁】(名・形動) 雑然としていて、まとまりのないさま。「_な知識」「文明の_なるを知らず、其動くを知らず」〈文明論之概略諭吉〉

The hibernation of the tiger__TAMIYA 1/35 Kubelwagen & KING TIGER


 
題して、「虎の冬眠」。当然ながら虎は冬眠する動物じゃないので、春が来ても目覚めることはないのですが。
 

 
結局、目標としていた5月の静岡には持って行くことができず、その後もだらだらと完成させられないままでいました。なんかイマイチなのはわかるんだけど、どうしていいかがわからん、みたいな。
 

 
それで、ほぼこの写真の状態でK2Cの例会に持って行って、メンバーからいくつか指摘をしてもらいました。

  • 地面が単調。枯葉などがもっとあった方がよい。また、現状では地面が乾きすぎている。冬を越したのなら、雪解け後とかを想定してもっと土が湿った感じの方が伝わりやすいのでは。残雪があってもいいのでは、との意見も。
  • 王虎。放置車両なら、車外装備品は外れていたりした方がよい。
  • キューベルワーゲンが車体後部を手前に向けた配置になっているが、本当にこれでいいのか? キューベルの向きによって、地面にいるフィギュア2体の位置も決まってくるが、そのフィギュアの配置がいまひとつ決まっていない。

これ以外にもいろいろと言われたのですが、その意見を参考にしつつ、その後の作業を進めたのでした。
 

 
それで、こうなりました。関西AFVの会にはなんとか間に合いました。助言をしてくれたK2Cメンバーにひたすら感謝です。
せっかくいろいろ言ってもらえたのに、実行できなかったこともありました。例えば王虎の車外装備品などは、この時点で車両の塗装がかなり進行していたので、もっともだと思いつつ、撤去するのを回避したりとか。
地面はアース系の色にして、枯葉のつもりで主に乾燥パセリとバジルを振りかけ。それらが固定されたら、イエローオーカーやオレンジや茶系の色で葉っぱをちょこちょこと塗り分けました。言葉にするとめんどくさいけど、いまのところこれが一番手っ取り早いようです。
 
結局は「妄想力」なのでしょう。それも細部にいたる妄想力。「ここがこうなってたら感じ出るよな」という遊び心。
それをひとつずつ形にすることで、雰囲気というか実感が出てくるんでしょうね。大変な趣味だわこりゃ。
 
ちなみに、こんな状況に陥ったポルシェ砲塔のキングタイガーは実在しません。
ポルシェ砲塔のキングタイガーって作られた台数が少ないこともあって、どこでどうなったか全部調べがついてるんだって。関西AFVの会の会場で参加していた方に教えていただきました。なんか上手く言えないんだけど、そういうことを知ってか知らないかで、情景の説得力も違ってくるような気もします(念のため書いておきますが、「考証が甘いからダメだ」とかそういう否定的なニュアンスで言われたわけではありません)。
 

 

 
キューベルワーゲン、わざわざ幌を作った効果はほとんど感じられませんな。多分、会場でご覧になった方も誰一人気づかなかったでしょう。ましてや後部座席に地図が置いてあることなんか、絶対見えないもん。