雑駁記——藤沢図案制作所——

ざっぱく【雑駁】(名・形動) 雑然としていて、まとまりのないさま。「_な知識」「文明の_なるを知らず、其動くを知らず」〈文明論之概略諭吉〉

白鹿記念酒造博物館 平成25年春季特別展「三熊派 江戸の桜狂画家」


 
年明けからこじらせた風邪が一向に良くならず、なかなか咳が止まりません。
などと言いつつもここ数日は暖かい日もちらほらと。近所の梅も綺麗に咲いておりました。
梅の見頃が終わると桜が咲き始めます。ということで、今年も白鹿記念酒造博物館の笹部さくら展です。
 
今年は江戸中期の京都において、桜を主題とした絵ばかりを描いていた「三熊派」を中心とした展示だそうです。
で、この際ちょっと調べてみたのですが、この三熊派、自ら「花顛」と称した三熊思考を始祖として、その妹である三熊露香、思考の弟子の広瀬花陰、露香の弟子の織田瑟々(しつしつ)の4人の、60年程の系譜なのだそうです。
「三熊派」というのも彼らが名乗ったわけではなく、後に名付けられたものとのことです。
 

 
ポスターは三熊思孝の絵を、A4チラシは織田瑟々の絵をそれぞれ使いました。
今回のミソは、それぞれ原画と同じサイズで割り付けたところです。
まじまじと視れば、思孝と瑟々のタッチの違いも判るのではないでしょうか。三熊派というのは、あくまで桜を描く画家たちであって、画風に共通点とか特長のある一派ではないことがそれぞれの絵からうかがえると思います。
個人的には、織田瑟々の絵が好きです。三熊思考の繊細な筆致も素敵なんですけど、瑟々はむしろその逆でメリハリのある「引きの強い」絵で、デザイン屋としては、正直言ってポスター等にとても使い易い。要するに絵の素人でも解り易い魅力が感じられるのですね。
 
ともあれ、そんな三熊派をナマで観られる展覧会です。
ミュージアムも併せて見学できて、お土産に吟醸酒ももらえます。