雑駁記——藤沢図案制作所——

ざっぱく【雑駁】(名・形動) 雑然としていて、まとまりのないさま。「_な知識」「文明の_なるを知らず、其動くを知らず」〈文明論之概略諭吉〉

野村万作 萬斎 狂言会 第十四回

7月23日、19:00開演 大槻能楽堂にて
年明けの新春狂言とともに、
近年は夏の狂言会も嫁さんにつれられて見にいくようになりました。以下覚書。
 
合柿(あわせがき)
 柿売りの柿はどれも渋かったのか否か。そもそも、柿売りは騙して買わせようとしたのか否か。
 柿はホントは甘かったけれど、客が嘘をついてたのか。
 受け手の解釈によって、後半の万作さん扮する柿売りの謡の趣が変わってきます。
 いや違うな、後半の謡を受け手がどう感じるかで、
 柿売りは渋柿を騙して買わせようとしたのか否かの解釈が決まってくるのだな。
 僕の解釈は、騙すつもりはなかった、と。
 
芸話 野村万作
 古典芸能というのは基本的に先人のコピーなのですね。決して個人の感覚で台詞を変えたりしちゃいけない。
 とはいえ、演者によって違った表現になるところが面白い。
 他にも、舞台での立ち振る舞い等についてのお話など。
 狂言については、未だ碌に知識も無いまま、ただただ笑っているだけなのだけれど
 やはりいろいろと知っていた方が一層楽しめるのでしょうなあ。
 
素袍落(すおうおとし)
 プログラムには書いてなかったけれど、万作さんの芸話の前に萬斎さんの舞もありました。
 舞を見たときも思ったけれど、野村萬斎という人はやはり特別な華のある役者さんですね。
 萬斎さんの演る太郎冠者は、現代的というか。多分、台詞の間が独特なんじゃないかなと思うのだけれど、
 同じ曲を他の人が演じたものも観てみたいです。
 
「合柿」で参拝客をやった石田幸雄さんが嫁さんのお気に入りのようです。
僕は最近顔を憶えたのですが、「合柿」で客C(こんな呼び方しないけど)と、「素袍落」で太郎冠者の主人をやった
高野和憲さんが現代劇やっても存在感ありそうでいいなあ、と思います。