雑駁記——藤沢図案制作所——

ざっぱく【雑駁】(名・形動) 雑然としていて、まとまりのないさま。「_な知識」「文明の_なるを知らず、其動くを知らず」〈文明論之概略諭吉〉

2018-01-01から1年間の記事一覧

「excavation」のつくりかた

「excavation」とは「発掘」の意。 制作の工程で、埋まっていたものを(自分で埋めているのだけど)掘り起こす作業からこの呼び名を思いついた。 以前から「どうやって作っているのか?」と訊かれることがあったので、あらためて「excavationのつくりかた」…

Robert Frank 「THE AMERICANS」 STEIDL版

アメリカの中間選挙が行われ、その結果が出た。 上院は共和党が過半数で、下院は民主党が過半数になったそうだ。 この結果がドナルド・トランプにとって良いことなのかどうか、ひいてはアメリカ合衆国にとって良いことなのかどうかは全く解らない。 ただ、過…

谷崎潤一郎 「卍」 函の修復

「卍」は好きな小説だ。 内容はけして健全ではなく、とは言え当時は攻めていたであろう内容も、今の目からみればそれほどでもない点もあろうけれど、読み物としての面白さは今でも全然損なわれていないと思う。 なにより小説の舞台がうちの近所というのが、…

「創作展 感じるパッケージデザイン展」 関西展、終了しました

そもそも展覧会の期日等をろくに書いていなかったかもしれないけれど、京都の嶋臺ギャラリーにて10月4日より開催されていた「創作展 感じるパッケーデザイン展」、10月11日の最終日を無事迎えることができました。 ご来場くださった方、行くことはできなかっ…

「創作展 感じるパッケージデザイン展」 Come Together(解説編)

「シュッとしたもの」というのは、関西でデザインの仕事をしていると、よく出てくる言葉じゃないかなと思う。 もちろん、そうでないもの、例えば、親しみやすいものとか、楽しいものとか、フワっとしたものとか、他にもいろいろあるだろう。けれども、それら…

「創作展 感じるパッケージデザイン展」 2 (検討篇)

天面のみをずっと作っていたが、ようやくこのあたりから箱として作りとか寸法とかを決めていく。真ん中のものがここでは一番古く、まだ通常の蓋と身箱の前提で考えている。この真ん中のものはティッシュの箱に見えて仕方がない。天地左右の比率やスリット群…

「創作展 感じるパッケージデザイン展」 1 (試作篇)

JPDA(日本パッケージデザイン協会)の企画展。 僕としては、「言葉はなくても伝わる」という言葉にこだわっていてはどうもならないので、とりあえず何か作ってみることにした。 コンセプトワークというのは、言ってみれば「概念の言語化」だ。言葉によって…

「創作展 感じるパッケージデザイン展」 0 (思索篇)

日本パッケージデザイン協会では、定期的に会員デザイナーによる作品展を開催している。 前回は「日本を包む」と題して、日本語/日本の言葉を8つえらび、それらを”包む”パッケージを提案する、という趣向だった。 今回のタイトルは「感じるパッケージデザイ…

九鬼周造 「『いき』の構造」

常に「いき」な大人でいようと思いはしても、なかなか敷居は高いものだ。 せめて不粋ではいたくない/野暮な人にはなりたくない、くらいは意識して過ごしていきたいとは思う。それとてかなり難しいことではあるけれど。 さて、この「いき=粋」だの「不粋」…

"はてなダイアリー"から"はてなブログ"へのインポート完了

先日、"はてなダイアリー"からのインポートができないと書いた後に、 "はてなブログ開発ブログ"に文句のコメントを入れたところ、 突然インポートができるようになって、あっさり完了してしまった。 たまたまタイミングがよかっただけのことなんだろうけど、…

"はてなダイアリー"終了のお知らせ だけど"はてなブログ"にインポートできない

yahooニュースで知ったのだが、こちらのお知らせにあるように、 当ブログもずっとお世話になっていた"はてなダイアリー"がサービス終了するそうだ。 とは言えここ数年は1年に1つか2つ更新する程度で、放置と言ってよい状態だったし、 "はてなダイヤリー"と"…

芥川龍之介 「河童・或る阿呆の一生」 旺文社文庫

芥川本の復刻版をまとめ買いしたら、おまけのつもりか文庫本が一緒に入っていた。 収録されているのは、 「点鬼簿」「玄鶴山房」「蜃気楼」「河童」「歯車」「或る阿呆の一生」 と、芥川晩年の作といえば必ずとりあげられるものばかり。 ベタと言えばベタな…