「創作展 感じるパッケージデザイン展」 1 (試作篇)
JPDA(日本パッケージデザイン協会)の企画展。
僕としては、「言葉はなくても伝わる」という言葉にこだわっていてはどうもならないので、とりあえず何か作ってみることにした。
コンセプトワークというのは、言ってみれば「概念の言語化」だ。言葉によって構築された概念が、デザイン作業の軸となり指標となるし、プレゼンテーションの際に、受け手が納得するロジックやキーワードもそこから導きだされる。
なのだが、とりあえず、その過程をとっぱらって、紙と定規とカッターナイフを用意するところから始めた。
ストライプ(縦縞)をプリントではなく造形でできないだろうかと思いたち、いろいろ試してみた。はじめは、紙を折ることで縞模様を作ろうとしていたのだが、上手くいかないのでスリットを入れることにした。上の写真はかなり試行錯誤を重ねた後のもの。切り込みを入れて、隣り合う帯を上下互い違いになるよう、間に柱と言うか支えになるような紙片を入れてみた。
天面のスリットの入り方や支えの入れ方をいろいろと試してみる。
この時点で製作行程上の「弱み」となっている上下スリットの支えがあることが、見た目の上でも目障りというか気になるので、「切る」だけでストライプを作れないかとやってみるが、上手くいかない。中にはこれはこれで違うことができそうなものも無くはないのだけれど。
ふと、プロペラ状のひねりを入れることを思いつく。この写真のものだけ正方形になっていることに深い意味はなく、まだこの時点では最終的にどんな作品になるのか全く見えていなかったため。ひたすらスリットを使った造形のみを試行錯誤していた。
ようやく、「支えの紙片を見せてしまおう」ということに思い至ったもの。
これを思いつくまでに実に1ヶ月近くかかった。もちろん毎日毎日朝から晩まで紙を切り刻んでいたわけではないけれど。