雑駁記——藤沢図案制作所——

ざっぱく【雑駁】(名・形動) 雑然としていて、まとまりのないさま。「_な知識」「文明の_なるを知らず、其動くを知らず」〈文明論之概略諭吉〉

Margo Guryan 「Take A Picture」

TAKE A PICTURE

TAKE A PICTURE

予備知識なーんもナシに音源を入手したんだけど、なんかジャケットが野暮ったく感じて、劣化した二番煎じのキャロル・キングみたいなもんだろうくらいに思って聴くこともなく放置してた。で、ついさっき聴いたんですけど、いいぞこれ。頭悪い褒め方だけど、ヴォーカルが素敵、バックもお洒落。すごく良質なポップ・アルバムです。いやはや申し訳ない、キャロル・キングとは全然違うし(念のため書いとくと、好きですよ、キャロル・キング)。1曲目の「Sunday Morning」が始まったときは、まあそこそこのポップソングかなという程度だったんだけど(スパンキー&アワ・ギャングというグループへの提供曲だそうで、これが代表曲になるようだ)、変拍子とか転調とか、メロディーのはまり方・はずし方が気持ちいい。聴きすすむうちに「ひょっとしてこれ掘り出し物?」と思ってしまった。で、早速検索。ネットって便利ですね。
驚いたのが本盤のリリースが1968年だということ。マニアじゃないからわからないけど、1970年前後ってのは、歴史のメインストリームからちょっとはずれたところに、まだまだお宝や、後のメインストリームに繋がるような原石がゴロゴロしてるんでしょうね。で、メーカーのセールス・コピーをまるまる転載すると、

ソフト・ロック&サイケマニアにとって幻のアイテムである、女性ソフト・ロック・シンガー"マーゴ・ガーヤン"唯一のアルバムの正式な世界初リイシュー。クロディーヌ・ロンジェ的なソフト・ロックからフリーク・アウト寸前のサイケ・ナンバーまで収録された飽きる事の無い内容。(「CDジャーナル」データベースより)

まあ、ソフト・ロック系の音源って今でもなかなかCD化されてないものもあったりして、「幻のアイテム」って多いとは思うんですけど。クロディーヌ・ロンジェって人は、マーゴ・ガーヤンとほぼ同時期にレコードを出してた、女優を本業とするフランスの女優さんだそうです。ロジャー・ニコルスがからんでるせいか、こちらの方が有名なんでしょうかね。
そのクロディーヌ・ロンジェはよく知らんのだけど、たしかにフレンチ・ポップスとか、あとスウェーディッシュ・ポップっぽい感じ(てゆーか、マーゴ・ガーヤンの方が元ネタなんだろうけど)。カーディガンズとか好きだった人にはハマるのではないでしょうか?