雑駁記——藤沢図案制作所——

ざっぱく【雑駁】(名・形動) 雑然としていて、まとまりのないさま。「_な知識」「文明の_なるを知らず、其動くを知らず」〈文明論之概略諭吉〉

Tamiya 1/48 Hetzer


僕は大して上手くもないのに戦車のプラモをやたら持ってて(他にも大して上手くもないのに何本もギター持ってたりとか大して上手くもないのにカメラを何台も持ってたりとかなのだが)、殆どが1/35スケール(このスケールが一番種類も豊富でバリエーションも豊か)なんですけど、ここ数年、その1/35の開祖・タミヤは、1/48スケールに製品をシフトさせているようです。このヘッツァー3号突撃砲B型など、長年1/35における模型化の要望がありながら、1/48で先に出された点からもそれがうかがえます。
なお、3突B型はその後1/35スケールでも製品化され、今月後半にはヘッツァーも1/35スケールのものが登場するようなのです。
今回は1/48、いわゆるヨンパチのヘッツァーの話です。購入後、早速組み立て。半日でできちゃう手軽さと、その精度の高さに驚き。分割式キャタピラなんて、他社製品にもあるけど、ここまで出来のいいのはちょっとなかったんじゃないかな。

で、感じたのは、この1/48ってスケール、結構戦車に合ってるんじゃないかな、と。1/35は今の住宅事情だと大きくて、完成品が場所をとるし、かと言って1/72や1/76だと、スケール感や精密感がイマイチ(同様に、ワールドタンクミュージアムに代表される1/144もどーも馴染めなかった)。その点、1/48だと、完成品の大きさもそこそこで、なおかつ、精密感も損なわれてないんじゃないかと。必要以上に作り込まずにサクサク作っていけるのも精神衛生上よろしい。あ、でも兵隊さんは1/35の方がいいな。てゆーか、フィギュアの塗装は1/35でも細かすぎるんですが。
少々要望があるとすれば、もうちょっと価格を下げて欲しいな。戦車系はシャーシがダイキャスト製なんだけど、別にプラ製でかまわないし、使用してるプラスチックもクルッププロッツェみたいな再生プラでもかまわないと思うんだけど。
ともかく、1/35スケールの商品って、各社から数多く出てて結構マイナーなアイテムまでバッティングしてたりとか、アフターパーツも過剰なまでに出回って、ディティールアップしだすと蟻地獄的に完成しなかったりとか、かなり飽和状態の感がここ数年続いてると思うんです。そんな中、タミヤが1/48の商品を増やしてくってのは、今のAFVモデル市場に一種のガス抜き的な効果をもたらすように思えて、戦略として正解…なのかどうかはわからないけど、個人的にはあらためて歓迎したいです。ただまあ、なかなか完成しないのは一概にスケールのせいでもない気もしますが。