雑駁記——藤沢図案制作所——

ざっぱく【雑駁】(名・形動) 雑然としていて、まとまりのないさま。「_な知識」「文明の_なるを知らず、其動くを知らず」〈文明論之概略諭吉〉

ひさびさのベースギター

現在、僕が所属しているふたつのバンド、CCRとOYASIS(OASISのカバーバンド)がホームグラウンドとさせていただいてるLive Bar "Beat In"。
ここではバンドのライブ演奏とは別に、コンボ系の音楽、つまりブルースとかファンクとかソウルのセッションも定期的に催されております。
僕は今までこうしたセッションには参加したことがありませんでした。
と言うのも、セッションって、ふらりと店に行って、知ってる曲はもちろんだけど、よく知らない曲でも他のパートの人の雰囲気とか曲の流れとか空気を読んでそれなりに合わせたりして、演奏後にビール飲みながら「さっきの曲の間奏のとこ焦ったよお」などと談笑できるくらいのスキル―つまりは演奏技術の面でも音楽センスの面でも高いスキル―が必要なのではないかと思っていたのですよ。いやまあ、今でもかなりそう思ってますけど。
 
そんな僕が、12月24日クリスマスイヴの夜に行われたロックセッションに行ってきたですよ。
セッションに参加するお客さんは、あらかじめお題としてあがってる曲のうち、自分のやりたい曲とパートにエントリーして演奏に参加します。とは言え、どの曲もお客さんばかりで各パートの演奏者が都合よく見つかるわけではないので(むしろその方がまれでしょう)、お題の曲を全て演奏できるホストバンドがいます。例えばイーグルスの「テイク・イット・イージー」にエントリーした人がドラマーだけだとしても、メンツ揃わないからやれないって事態にはならないわけです。
ええと、まあ要するに、ホストバンドのメンバーの一人が、この時のロックセッションに参加できなくなったんで、それのヘルプというかトラとして演らせてもらうことになったのですよ。
ベース担当として。
 
今思い返してもなんで断らなかったのかよくわからんのですが、まあセッション自体に興味があったのでしょうね。ベースを弾くことにも。ブルースとかファンクとかよりは「いけるかな」なんて甘い考えもあったでしょうし。
承ってすぐに後悔しましたけど。
後悔その1)7割がたは知ってる曲だと思ってたんですけど、ちゃんと構成まできっちり把握してる曲が半分も無かったため、まずは曲をきちんと憶えることから始めなくてはいけなかった。
「知ってる」と「わかってる」じゃ全然違うもんね。
後悔その2)ベースギターを持ってない。
ちょっと前まで持ってたんですけど。全然弾かないんで手放しちゃったんですよ。だから家で曲憶えたりベースラインひろったりはギターでやるしかなかったのです。だからそんな状況で何故承諾したのかと(以下略
 
でまあ、曲がりなりに初体験のセッションをなんとか終えたのですが、個人的にはとても楽しめました。
見てる人からすると、ギター弾いているときとくらべて明らかに挙動不審というか、自信なさげだったようですが。それでもGFRの「孤独の叫び」を怪しいところがありながらも完奏したときはなかなか良い気分でしたし(お前は客か?)、「Sympathy for The Devil」(今回やる前から唯一「わかってる」曲でした)なんかは気分よくやれたんですよ。終盤握力無くなってましたけど。
参加されたお客さんの中には「なんだよ今回のベース弾きよお」と思われた方も絶対いたと思います。そうだとしたらホントすみませんでした。
しかしまあ、ギターとベースは違う楽器なのだなと当たり前のことを実感しましたですよ。
ギター以上に握力が必要なのは当然として、アンサンブルの中での立ち位置がギターと全然違う。まあこれも当然なんだけど、それが無茶苦茶新鮮でした。いやあ、ベースってクールな楽器じゃないですか。
 
で、参加して感じたのですが、事前に演奏される曲を「予習」できるから、知らない曲を「聴かされる」ことがないというのはそれだけで楽しめるのではないかと。ぶっちゃけ、知らないバンドの知らない曲を延々やられるとツラい時ってあるじゃないですか?
また、単純にいろんな人と演奏できるってのは楽しいものです。同じ曲でも演奏する人によってニュアンスも違ってくるから、それを聴くのもまた楽し。
そして、演奏がグダグダになるのもまた一興ってなもんです。まあグダグダにしてたのは僕ですが。
 
てなわけで、面白いですよ、Beat Inのロックセッション。
次回は2月の25日なので曲目見て興味持ったら奮ってご参加ください。