雑駁記——藤沢図案制作所——

ざっぱく【雑駁】(名・形動) 雑然としていて、まとまりのないさま。「_な知識」「文明の_なるを知らず、其動くを知らず」〈文明論之概略諭吉〉

TAMIYA 1/48 Henschel Hs123 A-1


 
ヒコーキ作るのは難しいですね。でも、どうせ作るなら複葉機の方が好きなので、僕にとってはさらに難しいです。
戦車作るときと一番違うのは塗装の行程の入り方でしょう。
たいていの戦車模型は、あらかた組み終えてから塗装をするんですが、飛行機の場合、エンジン組む→エンジン塗装、コクピット組む→コクピット塗装、ボディ組む→マスキング→塗装、と、こまめに塗装の行程が入るので、あらかじめ完成形をイメージして、計画的にすすめないと上手くいかないように思うのですね。これ、カーモデルも同じだと思うんですけど、なんか、テクニカルイラストレーションを描く感覚に近いのではないかというのが個人的な見解です。
ひるがえって戦車を塗装するとき、僕はほとんど計画性が無いというか、塗っては潰し、汚しては消しと、いろいろ試しながら、それこそ素人の油絵みたいな進めかたになりがちで、また、そういうやりかたを許容してくれるジャンルのようで、やっぱこっちの方が楽だなと感じてしまいます。もちろん、アドリブ制作の得意な飛行機モデラーもいれば、計画的にきちんと作る戦車モデラーもいると思うけれど。
 

 
さて、このHenschel Hs123 A-1という飛行機、実機のことは全く知らないです。
前述したように、どうせ作るなら複葉機、と思うのですが、この方面は、ファインモールドやハセガワなどから出ている日本軍のもの以外だと、海外メーカー製の組みにくい製品が多く、うかつには手を出しにくいのですね(エデュアルドのキットなんかは組みやすそうだけど、あまり知らない。いくつか積んでるけど)。そんな折、タミヤからこのキットが出たので、「タミヤ製なら組みやすいだろう」と購入したわけです。ボックスアートも良いし、黄色いカウルがキュートですよね。
ところが、箱を開けてみると凸モールド。「再販か?新作じゃないの??」…後から知ったのだけれど、キット自体はイタレリ製品だったのです。さらに後でわかったのですが、もともとはエッシーの金型だったんだと。素性はかな〜り古株だったんだな。タミヤパッケージということで、インストは日本語だし、ジェリカンとかおまけもついてるしというのが救いと言えば救いでしょうか。結局、タミヤ純正の複葉機って、未だソードフィッシュだけなんですかね。
 

 
というわけで、ほぼ素組です。筋彫りも全くやり直してません。ただ、上の翼と本体をつなぐ支柱が全く合わなかったので、ここは作り直しました。

それと、機銃を真鍮パイプに交換。わざわざ言わないと絶対わかってもらえないようなディテイルアップ箇所ではあります。それから、操縦席のフロントガラス、磨いているうちに真ん中で割ってしまいました。でもって、作り直すことなくそのまま使ったことを白状しておきます。
 

 
塗装なんですが、マスキングが面倒くさかったので、全部筆塗りで仕上げました。塗ってるときはムラがあったのですが、クリアをスプレーすると結構落ち着きました。でも、マスキングしてエアブラシ使った方が、所要時間は絶対短いと思います。
 

 
なんだかんだ言ってますが、この機体、複葉機の鬼門と言える張り線がほとんどないので、組みやすいっちゃあ組みやすい部類だとは思います。
しかし、ディテールアップはほとんどしてないし、ウェザリングもしてないとはいえ、戦車作るよりサクサク進めてしまって、やたら早く完成しちゃいました。で、できてみると、けっこう可愛い。「プラモ製作って、これでいいんじゃないかあ?」という気がしなくもないですね。