雑駁記——藤沢図案制作所——

ざっぱく【雑駁】(名・形動) 雑然としていて、まとまりのないさま。「_な知識」「文明の_なるを知らず、其動くを知らず」〈文明論之概略諭吉〉

日本盛 平成二十六年 甲午 菰樽


 
ソチオリンピックも残りわずか、2月も終盤なのに、今更「今年の干支は〜」なんて話です。
この菰樽("こもだる"と読みます)もう販売も終わっちゃったんですけど。
 
菰樽と言っても、時折見かける鏡割りなんかにつかう大きなものではなくて
1.8L詰めの、直径25cmくらいのやつです。
中身というか本体も木製の樽ではなくて、ガラスの器を割れないようにプラスチックでガードしたもので
そこにデザインが印刷された菰が巻かれています。
まあ、大きい菰樽の模型みたいなものですね。もちろん中のお酒は本物が入ってるんですけど。
そういえば、年末は他の酒蔵さんのものですが
300ml詰の小さなプチ菰樽も売り場でちょいちょい見かけました。
お屠蘇気分を味わうにはいいアイテムかもしれないし、
そういうとこから日本酒がまた見直されてほしいものです。
 

決定案以外につくった午たち。ちょっと勿体ぶってボカしてみました。
 
印刷は、樽酒の老舗・矢野三蔵商店さんで刷っていただきました。
シルクスクリーン印刷で、一色ずつ、計5色が手作業で刷られています。
画像ではちょっとわかりにくいですが、刷り金が実にきれいです。
刷り色の限られてるこの手の印刷は、
今やすっかりスタンダードな表現になってるグラデーションやドロップシャドウは使えない上に
色使いとか色を重ねる順番とかいろいろと考えなくてはいけない、
つまりは、かなり古典的な印刷デザインの考え方でビジュアルを作らなくちゃいけないんだけど、
個人的にはけっこう楽しんで進められました。と言うか、こういうの好きです。
 

分版の具合が解りやすくなるかなと思ってこんな画像を作ってみたけど、何のこっちゃよくわかりませんね。
 
印刷された菰も手作業でひとつひとつ巻かれます。
今はもう見れないけど、通信販売されてたサイトでは
菰を巻き付ける工程の動画も公開されてました。
小さいけど、けっこう本格的というか、手の込んでるパッケージなんです。