雑駁記——藤沢図案制作所——

ざっぱく【雑駁】(名・形動) 雑然としていて、まとまりのないさま。「_な知識」「文明の_なるを知らず、其動くを知らず」〈文明論之概略諭吉〉

Amazonからのお知らせに加えて昨今思うこと

 

 
上の画像みたいなお知らせしたって、買わないってば。「スティッキー・フィンガーズ」と「山羊の頭のスープ」と「イッツ・オンリー・ロックンロール」と「ブラック&ブルー」のボックスセットですと。「コレクタブルズ」以来、こいつら何回再発してんだよ。しかも「メインストリート」入ってないし。どれも「持ってます」にチェックしてるじゃん。
初回限定ジャケットとか紙ジャケットとか、もうファンであるかどうかの踏み絵みたいになっちゃてて、正直うんざりですよ。Amazonにしても、持ってるレコードかCDを「持ってます」にチェックすると、輸入盤やらリマスター盤やらいちいちおすすめに入ってきてわずらわしいことこの上ない。あれ改善されないのかなあ。音は手元にあるんだから、今更仕様の違うやつでおすすめされても内容が良いことはとっくに知ってるってば。
なんかもうCDって、今や音楽聴くための絶対的なメディアじゃなくなってて、アイドルの写真や名前の入ったTシャツとか団扇とかのキャラクターグッズとかアーティストグッズ(笑)の一つでしかないんじゃないの?と思ったりもするんですよね。
 
さらにこんな記事。 
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2009/04/20/23214.html

「(日本音楽著作権協会JASRAC)理事の)いではく氏は、過去の著作権分科会で主婦連合会常任委員の河村真紀子氏が、「自家用車で聞くために、消費者はもう1枚同じCDを買うのか」と疑問を投げかけたことを取り上げ、「当然だと思う」と説明した。
「家にあるコーヒーを車で飲みたければ、持ち出すか外で買えば良いのと同じ。車で聞きたければCDを持って行くか、それがいやならもう1枚買えば良い。CDの自宅内でのコピーは認められてはいるが、コピーを持ち出すのは『基本的に全面OK』ではない。自宅内で使うものは仕方がないから認めるという程度。そういうことがきちんと理解されず、既得権のように当たり前になるのは非常に危険だ。」」
 
だそうです。音楽をコピーするな、自宅用にCD買って、他のところでも聴きたかったらもう一枚CDを買え、「当然」じゃないか、ということですね。でもって、JASRACの理事の方によれば、CDとコーヒーは同じということみたいです。
CDと同じなのはコーヒーカップじゃないかと思うんですけど。音楽を入れる器でしょ、CDって。
でも、音楽聴く器って、もうCDからiPODみたいな音楽プレイヤーに、かなーり移ってるんじゃないかな?でもって、例えばiPODだったら、部屋じゃiPOD Classicで聴くけど散歩のときはiPOD Shuffleで聴く、みたいに使い分けてる人だっていると思うけどな。よかったじゃない、JASRACさん?
 
まあ音楽の著作権のことについてどうこう言うのは置いといて、昨今CDって売れないんだそうですね。
思うにCDって、音楽入れる器としては中途半端なものになってるんじゃないでしょうか?容量の点じゃ、デジタルプレイヤーに遥か及ばない。今のCDの容量でできることって、せいぜい15、6曲入りのアルバムにして1枚通して聴くには冗長なアルバム構成になっちゃうか、ヘタにボーナストラックとか入れられて作品としてのアルバムの世界観台無しにするのが関の山でしょ。
それに「音がいい」ったって、mp3をパソコンのスピーカーで聴いてて満足しちゃうリスナー(私もですけど)なんて別にそんなの気にならないし、ホントにいい音で聴きたかったら(特に過去の音源の場合)、アンプやスピーカーにこだわってレコードで聴く方がいいんじゃないかなとも思うし。
つまり、CDって今や手軽さでmp3に負けて、モノとしての色気とか質の点でアナログディスクと百歩譲ってどっこいどっこい、みたいな感じじゃないですか?
 
だから別にCDが今以上に高くなったり、もしくはコピーできなくなったりしたってかまわないっすよ(そう言えば、あのプレイヤーぶっ壊す仕様になってるCCCDってやつ、まだあるのかな?)。どんどんやって、メディアとしての寿命を自分で勝手に縮めてくれればいいんじゃないでしょうか。僕らが買いたいのは、CDじゃなくて音楽なんで。