雑駁記——藤沢図案制作所——

ざっぱく【雑駁】(名・形動) 雑然としていて、まとまりのないさま。「_な知識」「文明の_なるを知らず、其動くを知らず」〈文明論之概略諭吉〉

白鹿記念酒造博物館「福の神さま 揃い踏み」


 
三が日も終り仕事始め。ぶっちゃけ私ゃまだ本格的に仕事始めというわけでもないのですが、近所の西宮神社では十日えびすが近づいてまいりました。今年もまた福男がどーしたこーしたと夜明け前から大騒ぎになるのでしょうね。参加する皆さん、頑張ってください。
福男は目指しませんが、十日えびすには参拝するつもりです。というか、こちらに引っ越してきてからというもの、初詣は行かないけど、十日えびすはお参りするというのが我が家の恒例になってしまいました。今年も商売繁盛などと贅沢は言いませんが死なない程度には食っていきたいものです。
 
さて、えびすつながりというわけではありませんが、その西宮神社の近所にある、白鹿記念酒造博物館では、昨年末から「堀内えびすコレクション展」が今月の16日まで行われております。
なんでも「西宮で生まれ育った、医学博士でもあり郷土史家としても活躍された、故・堀内泠(きよし)氏(1924〜2009)が長年かけて収集されたもの」だそうで、「コレクションは、主にえびす神を代表する福の神に関するもの、郷土史、習俗風習などの資料で構成されています。」とのことで、春の笹部さくらコレクションとともに、恒例の展示となってます。
僕は旧年中に行きました。実のところ、「右も左も福の神ばかりでそりゃあもう大騒ぎさあ」、という規模の展示ではないのですが、七福神がみんな美人画になってたり、同じく七福神助六縁江戸桜に扮した錦絵があったりと、「滑稽」と呼ぶにふさわしい作品が見られます。「鯛持ちえびす/鯛乗りえびす」の柱絵や「馬曵きえびす」なんかも個人的には見ものでした。
他の展示も含め全般に感心するのは、昔の日本人の洒落のセンスです。こちらは常設展になるのかもしれませんが、明治期に描かれた擬人化された外来ものと日本古来のものが喧嘩してる錦絵とか(例えば、ランプと行灯とかが取っ組み合いしてるんですよ)、シュールかつ馬鹿馬鹿しい可笑しさがあります。
 
もしかしたらこういうのを面白いと感じるのも自分の年のせいかもしれないけれど、えべっさんに来られる方なら、ちょっと足を伸ばしてもよいのではないかと思いますよ。
帰りは札場筋のスタバか酒蔵通りのアンリ・シャルバンティエで一息ついていってください。